橋本京明は男性だが、その買い物の節約ぶりはかなり徹底していた。独身なのだから、日用品と食品の買い物には人一倍気を遣うのかもしれないが、歴戦の主婦並の買い物上手だった。どこの主婦もやっているのかもしれないが、橋本京明は複数のスーパーのチラシを確認してから買い物をする。また、流通している品の物価も記憶しているのか、キャベツなどの一部の野菜が高騰していると、決して手を出さなかった。
ただし、主婦が死力を尽くすあのタイムセールにだけは、彼は参加しなかった。理由は単純で、その時間の彼はまだ仕事中だからだ。一方で、スーパーの閉店間際だと安くなる物も当然ある。橋本京明はそういう物を買う時もある。
彼の買い物上手が真の力を発揮するのは、休日のスーパーだ。最早、周辺のスーパー10数店でどれが安くてどれが高いのか全て把握しているのか、休日に複数の店を経由してまとめて安い物を買うというのだ。例えば、A店ではインスタント珈琲だけを買い、B店ではキュウリだけを買うといった仕様だ。そして、トイレットペーパーが普段より安売りしている時はまとめて購入する。
さらに、これらすべての店のポイントカードを所持していたりする。すべての店を回るようなものなのだから、その分時間は掛かり、費用対効果があまり見合っていない気もするが、橋本京明からしたら、休日は暇なのだと言う。時間の使い方は個人の自由と言えるが、彼のように有益に時間を潰せる方法があるのなら、理に叶っているのかもしれない。現代最後の陰陽師【ラスト陰陽師 橋本京明】公式ホームページのことならこちら